第1連載・最終話(第10話) をお届けします。
ここで思想を回収し、「賭けない経営」を一段上の“意思決定技術”として締めます。
リアルオプションは、「勇気」を数字に変える技術である
ここまで、
「全部を賭けない経営」についてお話ししてきました。
- 捨てる前提を持つ
- やめられる権利を設計する
- 決断を分割する
- 不確実性を味方につける
これらに共通しているのは、
勇気を根性で出さないという姿勢です。
多くの人が誤解している「勇気」
経営における勇気は、
よくこんなふうに語られます。
- 覚悟を決める
- 退路を断つ
- 腹をくくる
確かに、それが必要な場面もあります。
でも現実には、
それができないから悩み、
動けなくなっている人がほとんどです。
勇気が出ないのは、性格の問題ではない
勇気が出ない理由は、
あなたが弱いからではありません。
判断にかかるリスクが、
大きすぎるだけです。
- 失敗したら取り返しがつかない
- 判断を間違えたら終わる
- 周囲に説明できない
この状態で
「勇気を出せ」と言われても、
無理な話です。
リアルオプションがやっていること
リアルオプション思考がしているのは、
とてもシンプルです。
- 判断を小さく分ける
- 失敗しても戻れる形にする
- 次の一手を残す
つまり、
勇気がいらない判断に変換している。
勇気を出すのではなく、
勇気がなくても動ける構造を作る。
これが、リアルオプションの本質です。
なぜ「数字」にすると、勇気はいらなくなるのか
「勇気」を数字に変えるとは、
こういうことです。
- 最悪どこまで損をするか
- どこまで行ったら止めるか
- 次に進む条件は何か
これらを事前に言語化し、
数値や条件で区切る。
すると、
判断は感情から切り離されます。
全部を賭けない人ほど、自由でいられる
全部を賭ける経営は、
一見、強そうに見えます。
でも実際には、
- 判断を変えられない
- 引き返せない
- 常に不安を抱える
という不自由さを生みます。
一方、
全部を賭けない人は、
- 判断を変えられる
- 次を選べる
- 不確実性と共存できる
だから、自由です。
この連載で伝えたかったこと
「賭けない経営」とは、
- 慎重になることでも
- 弱気になることでもありません
それは、
不確実な世界で、
長く、自分らしく経営を続けるための reminder です。
今日、あなたに贈りたい問い
最後に、一つだけ問いを置きます。
今のあなたの経営で、
「全部を賭けてしまっている判断」はありませんか?
もしあったら、
それを一段階だけ、
軽くできないか考えてみてください。
まとめ(最終回)
- 勇気は、気合では生まれない
- 勇気は、設計できる
- リアルオプションは、勇気を数字に変える技術
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
次の連載では、
日本の長寿企業がなぜこのやり方を自然にやってきたのか
を紐解いていきます。

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